債務整理

自己破産を弁護士に依頼するメリット

借金を帳消しにできる自己破産は、借金で生活がどうしようもなくなった人にとって「地獄に仏」とも言える制度です
しかし、自己破産のときに問題となる(債務者の方が考える)ことの1つが、自己破産のことを弁護士に依頼するかどうかです。

「自己破産は弁護士におまかせ!」といった趣旨の宣伝などを目にしたことがある人も多いでしょう。
しかし、弁護士に依頼すると、当然ながらお金がかかります。

自己破産をする人は大抵お金に困っているので、「自己破産って弁護士に頼まないといけないの?」「弁護士に頼むと費用がかかるから、自力でなんとかしたい…」と思うことが多いはずです。

費用をかけたくない気持ちはわかりますが、借金を確実に解決するには、やはり弁護士の力を借りるべきです。
この記事では、その理由を説明していきます。

1.自己破産を自分ですることの難しさ

法的知識のない一般人が自己破産を独力で行うことは難しいです。
その理由を、以下で順番に説明します。

(1) 書類の収集・準備

自己破産は、裁判所に申立てをして行う債務整理です。
裁判所の手続には書類がつきものですが、一般人にとってはこの書類の収集と準備が最初のハードルとなります。

裁判所に問い合わせて手に入る書類程度ならなんとか集められるでしょう。
現在では裁判所のホームページから書式をダウンロードできる場合もあり、簡便化が図られています。

しかし問題は「書き方・作り方」です。
裁判所に書式がある書類の中には、自分の氏名や住所、債権者の情報を記載するだけの比較的簡単に書けるものもありますが、資産や家計の情報を記載しなければならない書類も存在します。

自分の財産がどういったものなのか、家計がどのような状態なのかを、正確に把握している人は意外と少ないのではないでしょうか?

例えば不動産や車を持っている人の場合、その不動産や車の価値がどのくらいかを即座に確実性を持って言える人は少ないでしょう。
書類作りは意外と難しいのです。

また、裁判所で手に入る書類以外は、集める数が非常に多く、取得方法を調べなければならない書類もあるでしょう。例えば、以下の書類が必要になることがあります。

  • 住民票
  • 通帳の写し
  • 戸籍謄本
  • 源泉徴収票
  • 給料明細書(過去2ヶ月分)
  • 退職金に関する証明書
  • 年金に関する証明書
  • 保険解約払戻金の証明書
  • 不動産登記簿謄本
  • 自動車やバイクなどの車検証や査定書

これら以外に、税金を滞納している場合は滞納額が分かる書類が要りますし、口座引き落としを使っていない場合は水道光熱費を支払った領収書も必要になるなど、ケースによって違いが出てきます

「自分が自己破産する場合はどのような書類を用意しなければならないのか?」を判断するだけでも大変です。

書類に不備や不足があると失敗

裁判所における自己破産手続の多くは、書面に基づいて行われます。
もし書類に記載漏れや間違い、不足などがあった場合は、その補正を求められます。

もし補正ができない場合や、一定の期間内に補正しなかった場合は、自己破産の手続が打ち切られる可能性があります。

書類の中には、役所など日中にしか対応していないところに問い合わせて集めるものもあるため、日中に仕事をしている人にとって集めにくいものもあります。

「期間内に書類を集められなかったせいで自己破産に失敗した」という事態も、決して起こらないわけではないのです。

(2) 裁判所での面談

自己破産をするときには、書類の提出のためや、裁判官と面談するためなどで、裁判所に足を運ぶ機会が多くなります。
裁判所は基本的に平日の昼間しか開いていないため、日中に仕事をしている人は仕事を休むか抜けて行かなければなりません。

また、裁判官との面談自体も大変です。

自己破産の際には裁判官との面談が行われることがありますし、自己破産時に財産が多いなど一定のケースでは、「破産管財人」という自己破産手続を取りしきる人とのやりとりも必要となります。

裁判官との面談で下手なことを言ってしまうと、自己破産手続に悪影響があるかもしれません。破産管財人とのやりとりでも同様です。
場合によっては「この人の借金を帳消しにするわけにはいかないな…」と判断される可能性もゼロでありません。

「下手なことを言えない」と考えて黙っていても、それはそれで手続に支障をきたします。

自己破産手続に不慣れな人は、何が最適解なのかわかりません。
最適解を知っている弁護士の助力を得るのが無難で確実なのです。

(3) 免責不許可事由がある

破産法には「免責不許可事由」といって、借金を帳消しにしてもらえないケースが規定されています。

例えば、借金の理由が浪費やギャンブルだった場合や、自己破産手続において裁判所や破産管財人に協力的でなかった場合などです。

実は免責不許可事由があっても、「裁量免責」といって、裁判官の裁量で免責を許可して借金をゼロにしてもらうことが可能なのですが、どうすれば裁量免責を勝ち取れるのかわからない人も多いでしょう。

そもそも一般人は「何が免責不許可事由なのか?」ということすらわからないかもしれません。

結果として「せっかく自己破産手続を進めたのに、借金がゼロにならなかった」ということになりかねないのです。

2.弁護士に依頼するメリット

ここまで、自力で自己破産を行う際の問題点を挙げてきました。
ここからは、弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのかを紹介していきます。

(1) 債権者からの督促が止まる

弁護士に依頼すると、弁護士が「受任通知」というものを各債権者に送ってくれます。
これを受け取った債権者は、それ以降債務者に直接連絡できなくなり、弁護士を通さなければならなくなります。

債権者からの煩わしい連絡がなくなるので、とりあえずは平穏な日々が戻ってきます。債権者からの取る立てがとまるため、精神的負担が減ると思います。

(2) 書類を万全に整えてくれる

弁護士は自己破産に必要な書類を集めてくれますし、書き方も教えてくれます。
代わりに書類を作ってくれることもありますし、依頼者本人が集めなければならない書類についても集め方を教えてくれます。

この結果、スピーディーに自己破産手続が開始され、手続が滞りなく進んでいきます。

(3) 裁判所と代理でやりとりしてくれる

弁護士に依頼すれば、依頼者本人が裁判所に足を運ぶ必要は基本的にありません。代わりに弁護士が裁判所に行って対応してくれます。

裁判官との面談などでどうしても依頼者本人が行かなければならない場合でも、弁護士が一緒に行ってくれますし、横からサポートしてくれます。

裁判所への対応で下手を打つ可能性を限りなく低くできるので、早く確実に借金を帳消しにしてもらえる可能性を高められるのです。

(4) 裁量免責を勝ち取るアドバイスをしてくれる

免責不許可事由がある場合は、弁護士に依頼することが大切です。
裁量免責を受けられるように動いてくれますし、依頼者にもアドバイスしてくれます。

そもそも何が免責不許可事由にあたるのかも、弁護士なら熟知しています。

最初の相談のときに正直に事情を話して、自分に免責不許可事由があるのかないのかを確認しておきましょう。

(5) 自己破産以外の債務整理を教えてくれる

債務整理の方法は1つではありません。
自分では「自己破産しかない!」と思い込んでいたとしても、弁護士に相談すれば最適な債務整理を教えてくれるかもしれません。

自己破産では、滞納した税金など支払い義務が免除されない債務もあり、手持ちの財産で価値あるものは換価され、債権者へと配当されます。借金の内容や財産の状況などの依頼者の状況によって、自己破産以外の債務整理を教えてくれることもあります。

例えば「借金を整理したいけど持ち家は残したい」という人は、「個人再生」という債務整理を勧められることがあります。
また、借金の額がそれほどでもなく、利息のカットや返済スケジュールの調整をすれば完済できそうな人には、「任意整理」という債務整理が向いている可能性があります。

弁護士は、自己破産以外の借金の悩みであっても受け付けてくれるので、気軽に相談することをおすすめします。

(6) 弁護士費用は分割払いが可能

自己破産を弁護士に依頼するときのネックの1つが弁護士費用かもしれません。

しかし弁護士費用を分割払いにしてくれる事務所はあります。
相談料についても、「借金のお悩みの場合は何度でも無料」としている事務所が存在します。

そういった事務所へ依頼することで、弁護士費用を抑えることができます。

費用を気にして尻込みしていると借金問題がいつまでも解決しないので、できるだけ早く相談することが大切です。

3.自己破産は弁護士に相談して解決を!

自己破産を自力で行うのはリスクが高いです。弁護士に依頼することで迅速かつ高確率で借金を帳消しにできます。

分割払いや相談料無料の法律事務所を選ぶことで毎月の出費を抑えて自己破産ができるので、迷うことなく弁護士に相談することを強くおすすめします。

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