借金苦から脱出するには?人生を好転させるたった1つの方法
2010年に貸金業法が完全施行されて以来、高額な利息や違法な取り立ては禁止され、多重債務に苦しむ人は減少傾向にあります。
しかし、消費者金融の低迷をよそに、新たに銀行カードローンが台頭。支払能力を超えた貸付により自己破産する人が再び増えてきています。
消費者金融は年収の1/3を上限とする総量規制の影響を受けますが、銀行の融資はそうした決まりはありません。
そのため、銀行カードローンは一般的に融資限度額が高額になりがちです。
しかし、仮に貸付上限が高くても、全員が上限額まで借りる訳ではありません。多くの人は返済のシュミレーションをして、返済できる範囲で借りているはずです。
それでも途中で行き詰るのはどうしてでしょうか?
このコラムの目次
1.借金苦になる主な原因
借金苦になる主な原因は、借入時の見込みの甘さと、返済途中の収入の変動です。
借金をするときには返済計画を立てますが、殆どの人は現状の継続を前提としています。
しかし、人生にはあらゆるアクシデントがつきものです。もし以下のきっかけがあると、たちまち借金苦に陥ります。
ギャンブル
今も昔も借金の原因で多いのはギャンブルです。パチンコ、スロット、競馬など、ギャンブルで当たると脳内で神経伝達物質のドーパミンが放出され、快感や興奮を感じます。
ギャンブルはお金だけでなく、こうしたワクワク感も得られるので、多くの人がハマってしまうのです。
ギャンブルも収入の範囲内でやるのであれば結構ですが、借金を繰り返してまでやるのはもはや依存症。お金をつぎ込むほどやめられなくなるのも特徴で、借金を取り戻すためにギャンブルをしてしまいます。
投資
FXや投資も借金の引き金となります。FXで借金を抱え込むのは急激な相場の変動が起こったときなどです。
相場変動が急激に起こると、強制ロスカットが追い付かずに負債を抱えてしまいます。
株については、ハイリスクハイリターンの短期トレードはギャンブル的な要素が強く、むやみに手を出すとあっという間に借金地獄に陥ります。
浪費
買物やキャバクラ、ホスト通いなどの浪費も借金苦の原因です。ギャンブル同様、浪費も収入の範囲であれば構わないのですが、借金してまでやるのは問題です。
特にストレス発散で浪費している場合は依存状態になりやすく、心理的な問題も絡むだけに非常に深刻です。
事業の失敗
事業の失敗も借金を抱える要因です。会社を興すときには誰しも成功を夢見るものですが、現実はそう甘くありません。
会社生存率は、起業から1年後が40%、5年後は15%、10年後は6%、20年後は僅か0.3%という数字が報告されています。これを見るだけでも、事業を成功させるのは並大抵でないことが分かります。
事業が継続できない最大の理由は資金繰りです。売上よりも経費が上回る場合は借金をしてでも繋がなくてはなりません。
その後も業績が回復しなければ、借金だけ抱えて倒産することになります。
住宅ローン
住宅ローンも人生の一大出費です。今後数十年と支払うものなので、月々の返済額は余裕を持った設定にしておきたいところですが、数千万円の買物なので毎月の出費はそれなりの額になるでしょう。
住宅ローンは収入があるうちは問題になりませんが、リストラ、倒産などで収入変動があると借金苦に陥る大きな要因となります。
学費、奨学金
現在は大学生の2人に1人は奨学金を借りていると言われています。また、奨学金とは別に学費の借入をしている家庭も少なくありません。
奨学金は卒業後の返済が非常に大変です。就職が上手くいけば問題ありませんが、バイト、非正規の場合は借金苦に陥ることになります。
将来どうなるかは誰にも分からないので、極力借りないのが理想ですが、そうせざるを得ない場合は、社会に出る前に経済的なリスクを抱えることになります。
リストラ、倒産
リストラや倒産など急激な収入の減少は、借金苦の最大の原因です。借金があっても仕事ができるうちは返済できますが、収入が途絶えたら生活費も捻出できず、借金の返済もできません。
現在景気は回復傾向にありますが、大規模なリストラを行う企業もあり、その意味ではいつ誰が借金苦に陥っても不思議ではありません。
病気
病気も借金苦を招く要因です。病気になると思ったように働けないので収入が減り、療養費もかかります。
更に住宅ローンや子供の教育費の支払いがあり、当面の蓄えがない場合は、病気をきっかけに一気に貧困に陥る可能性が高いでしょう。
2.借金苦が生活に与えるリスク
借金苦に陥ると、言うまでもなく生活は困窮しますが、それ以外にも様々なリスクを抱えることになります。
借金の取り立て
借金を滞納すると業者からの取り立てが始まります。
現在は以前のような過酷な取り立てはありませんが、違法な業者から借入している場合は、厳しい取り立てにあう可能性が高いです。
中には脅しや嫌がらせを受けるケースもあるので、その場合、精神的なダメージは非常に大きなものとなります。
うつ病
借金が返せず、生活に困窮し、督促に追われると、精神的に参ってきます。それが原因でうつ病を発症するケースは少なくありません。
実際に借金を抱えている人はうつ病になりやすいという調査結果もあるほどです。
うつ病は本人にとっては非常に辛い症状で、症状が悪化すると就労もままなりません。そうなるとうつと借金の悪循環で泥沼状態となります。
夜逃げ
借金の督促が激しくなり、いよいよ払えなくなると夜逃げが現実味を帯びてきます。
引っ越し先が債権者にバレなければ、借金から逃げられるかも?と考えますが、解決方法としては全く現実的ではありません。
夜逃げのリスクについては後述します。
離婚
借金苦は家庭崩壊の原因にもなります。借金の督促に追われ、生活もままならない状態では夫婦も上手くいきません。
言い争いも増え、最終的には離婚になるカップルも少なくありません。
3.借金苦でもこれだけはNG
今現在、借金苦の渦中にあったとしても、以下のことだけは避けて下さい。
借金の放置
借金の支払いができないと、多くの人は督促を無視し始めます。というよりは、どうあがいても対処できないので、放置せざるを得ないのかもしれません。
しかし、そのまま放置していても状況が好転することはありません。借金の利息は一日一日増えていき、督促は激しくなるばかりです。
その状態が続けば最終的に財産の差し押さえに発展します。
夜逃げ
借金苦から逃げるために夜逃げをするのもNGです。
夜逃げをすると一時的に督促から避難できるかもしれませんが、借金がなくなる訳ではありません。逃げ続けるために住民票も動かせません。
そうなると各種社会保障も受けられません。
また、借金には時効がありますが、債権者が法律上の手続きをすれば中断できるので、時効を待つのも現実的ではありません。さらに債権者に見つかれば、逃げた日数分の利息も追加請求されます。
以上の理由により夜逃げは全くおすすめできません。
自殺
現在、日本では年間2万人を超える自殺者がいると報告されています。自殺原因の第一位は健康問題で、次いで経済的な問題があげられます。
実際に借金苦で精神的に追いつめられて自殺を選んでしまう人は少なくありません。中には生命保険金で借金を払うために命を絶つ人もいます。
しかし、生命保険金目的で自殺をした場合は、保険金は支払われない可能性が高いです。
借金がどうしても返せない場合は、合法的に整理することができるので、借金で命を落とす必要はありません。支払えないとおもった時点で弁護士に相談して下さい。
ギャンブル・投資によるリベンジ
ギャンブルや投資で損をすると、それを取り戻すためにもっとのめり込んでしまう人が多いのですが、それで借金問題を解決できることは稀です。
むしろ借金は増える可能性が高いでしょう。
闇金からの借入
借金の支払いができなくなり、借りられるところがなくなると、最終的に闇金に手を出す人は少なくありません。
しかし、闇金は法外な利息をとり、返済できない場合は激しい取り立てを行うので、借り入れをしたら今以上に苦しむことになります。闇金は絶対に手を出さないようにしましょう。
4.借金苦からの脱出法
借金の返済がどうしてもできない場合でも、夜逃げや自殺をする必要はありません。闇金に駆け込む必要もありません。
借金は返済できなくなったら、債務整理で借金を合法的に減らす、なくすことができます。
債務整理には主に任意整理、個人再生、自己破産の3つがあり、それぞれの状況に応じて適切な制度を選択します。
(1) 任意整理
任意整理は借金を減額できる制度で、将来利息をカットすることができます。
減額後の借金は3~5年で完済する必要があるので、ある程度の安定的な収入があることが条件です。
裁判所に行かず債権者との話し合いだけで手続きできるので、利用者が最も多い制度です。
(2) 個人再生
個人再生は借金を大幅に減額できる制度です。借金をおよそ1/5まで圧縮できるので、申請が認可されれば以後の支払いは随分楽になります。
比較的額の大きい借金を抱えている人に適した制度です。
任意整理同様、手続き後は残債を3~5年で完済しなければならないので、認可を貰うには安定収入があることが条件です。
住宅を残しながら手続きできるので、マイホームを持っている人には特におすすめです。
(3) 自己破産
自己破産は借金を全額免除してもらえる制度です。代わりに自宅や車などの高価な財産は没収されます。
免責許可決定した後は支払い義務がなくなるので、借金苦から逃れるという点では最もメリットが大きい制度です。
リストラや病気で収入が途絶えた場合は、自己破産をするのが現実的です。
5.借金苦で悩んだら泉総合法律事務所へ
借金苦に陥る原因は様々ですが、そのまま滞納していると追い詰められるばかりです。
支払いがどうしてもできない場合は、債務整理すれば問題解決できるので、弁護士に相談することをおすすめします。
泉総合法律事務所は債務整理の解決事例が豊富にございますので、お困りのことがあればどうぞご相談下さい。
借金の問題は専門家と一緒に解決をしていきましょう。
-
2020年2月28日債務整理 自己破産を弁護士に依頼するメリット
-
2019年4月19日債務整理 破産管財人の否認権|自己破産前に他人に渡した財産が没収!?
-
2018年7月2日債務整理 破産手続きの振り分け|同時廃止事件と管財事件